今日は、大学生の就活ネタです。
私もちょっとびっくりしたんですが、今どきの就活って、「就活エージェント」なるものを使ってる人が結構な割合でいるんですね。
「就活エージェント」とは、2008年頃に始まって、徐々に広がっていった比較的新しいサービスで、
転職活動と同じように、エージェントが一人一人の学生を担当して、キャリア相談に乗ってくれたり、履歴書の添削や、面接の練習をしてくれたり、その学生にぴったりな求人を見つけてきてくれる、という内容のようです。
そして、今日、就活生のみなさんにお伝えしたいのは、「就活エージェント」はあなたの就活を破壊するということです。
はっきり言います。
あなたのこれからの長期的なキャリアを台無しにしたくないのなら、「就活エージェント」は使わない方がいいです。
その理由は、主に3つ。
「就活エージェント」では大手企業、優良企業には入れない
「就活エージェント」があなたにピッタリの求人を見つけてくれる、は完全に嘘
「情報の非対称性」があまりにも怖すぎる
どういうことか、ひとつずつ説明していきましょう。
ちなみに・・・
大学生向けの就活攻略法は、こちらの記事に書いています。
【就活】学歴なしでも「大企業」の内定を得るために、今できること
偏差値50の超平凡な大学しか出ていない私が、どうやって数々の有名企業の内定を獲得したのか、詳しく書かれています。こちらも、是非読んでみてください。
本格的に就活に入る前に、できるだけ早く知っておいた方がいい情報なので、特に大学2年生・3年生の「まだ時間的余裕がある方」にオススメの記事です。
さあ、では、本題に入りましょうか。
①「就活エージェント」では大手企業、優良企業には入れない
まず、大前提として、新卒では間違いなくベンチャーや中小企業ではなく、大手企業に入った方がいいです。
そして、「就活エージェント」では大手企業には入れません。この点がまず決定的です。
なぜ新卒入社は大手企業が良いのかというと、大雑把に、以下の通りです。
・単純に大手の方が待遇が良い
・大手の方が圧倒的に教育が手厚い
・大手で5年も働けば転職が有利になる
詳しくは別の記事に書いているので、そちらを読んでください。
とは言っても、「新卒では大手に入った方がいい」というのはほぼ当たり前の話なので、そこまで説明は要らないと思います。
本題に戻ると、大手企業・優良企業には「就活エージェント」経由で入ることはできません。
「就活エージェント」を使った瞬間に、あなたは微妙な中小企業行きです。
そもそもなんですけど、新卒採用って、ほとんどの大手企業は「採用ページ」を自社で持っています。企業の新卒採用ウェブサイトから登録して、その企業の選考を受けられる仕組みを持っています。
リクナビやマイナビなどの就活サイトには「広告」を載せるだけで、エージェントなどは利用していません。
大手でも、採用にかける予算が少ない場合など、自社の専用採用サイトを構築せずに、リクナビやマイナビ経由での応募としている会社も時々あります。しかし、こういった企業でも、あくまで新卒採用プロセスのための「箱」としてリクナビやマイナビを使っているだけで、エージェントサービスを使うことはありません。
なぜかと言うと、就活生に人気のある大手企業・優良企業は、エージェントを使って学生を一人一人捕まえてこなくても、毎年、募集定員の何十倍、何百倍もの学生が勝手に応募してくるので、わざわざエージェントなんていうお金と手間のかかるサービスを利用する必要が全くないんですね。
つまり、はっきり言うと、
「就活エージェント」を使っているのは、就活において人気のない「微妙な企業」「知名度の低い企業」だけです。
広告を載せてるだけでは学生が集まらないから、わざわざ「就活エージェント」なんていうコストの高いサービスにお金を払っているのです。
②「就活エージェント」があなたにピッタリの求人を見つけてくれる、は完全に嘘
「就活エージェント」を使えば、自分では気がつかない、自分に合う求人を見つけてきてくれる!などということが、エージェントの勧誘文句として書かれていたりしますが、100%嘘です。
「就活エージェント」が持ってくるのは、「あなたにピッタリの素晴らしい待遇と仕事内容の求人」ではありません。エージェント側の都合で一刻も早く埋めてしまいたい「人気のない微妙な求人」です。
「就活エージェント」の目的は、一定期間内に一定数の学生を企業に送り込んで、企業から報酬をもらうことです。そして、彼らが取り扱っているのは、「広告だけでは学生が応募してこない、不人気で微妙で知名度の無い企業」の求人です。
中途採用における転職活動とは異なり、新卒採用は明確な「期限」と「募集人数」があります。
中途の場合は、良い人が見つからなければ期限を延ばすこともありますし、募集自体を取りやめる場合もあります。そもそも、企業それぞれの状況による「欠員補充」や「追加増員」などが募集背景にあるので、常に募集人数は「若干名」とか「1名」とかです。
新卒採用の場合は、「25卒の新卒採用20名」など、明確な採用期限と採用人数があり、それを内定式までに確実に埋めないといけません。
そして、「就活エージェント」を使う会社というのは、その採用人数を自力ではとても埋められずお金を払ってでも採用を強化したい「弱小企業」です。
なんか散々な書き方をしてますけど、これが事実だと思います。
よく、「就活エージェントに登録するのは早ければ早い方がいい」と煽ってる人とかもいますが、これも地雷。
本来、大学4年の秋までに内定をもらえばいいはずなのに、大学3年生をしつこく勧誘して早期に内定を出そうとしている求人というのは、それだけ、埋めるのが難しい「特に人気のないヤバい求人」です。
「就活エージェント」の勧誘が強ければ強いほど、それは「ヤバい求人」ということです。
優良企業の魅力的な求人であれば、学生にしつこく声をかけなくても人はすぐに集まりますし、本当に「あなたにピッタリの求人」を厳選して紹介するつもりがあったら、そんなにゴリ押しして勧誘してくることはありません。
そもそもなんですが、「あなたにピッタリの仕事」なんて、この世にはありません。
「天職」なんてものが仮にあったとしても、それは、あなた自身が一生懸命探し続ける事で、人生のどこかで見つかるものです。
まず「就職四季報」を買って、リクナビやマイナビで膨大な数の求人に目を通して、企業説明会にも参加して、やっと自分に合いそうな企業がだんだん分かってくるのです。
それを探すのを「就活エージェント」任せにするなんて、ただの手抜きです。赤の他人の「就活エージェント」なんかに任せて自分は楽をしようとしても、そのツケは後で必ずあなた自身に返ってきます。恐らく、最悪の形で。
「就活エージェント」がキャリア相談に乗ってくれたり、履歴書の添削をしてくれるなんて話もありますが、期待しない方がよいでしょう。
企業からお金を受け取っている人に頼んでも、その人は、本気で親身になってあなたの事を考えてくれることはありません。
③「情報の非対称性」があまりにも怖すぎる
最後の理由がこれですが、この3つ目が、致命的です。
「就活エージェント」が持っている情報量と、就活中の大学生が持っている情報量は、全く異なります。
これは、情報強者と情報弱者のやりとりです。
「就活エージェント」は、一応は人材業界のプロです。個人個人がどのくらい優秀かは分かりませんが、何も知らない学生に比べたら、圧倒的に就活のことを何でも知っています。
その知識をあなたのキャリアの為に使ってくれるなら良いのですが、彼らは、その知識と経験を「あなたという商品を使って都合よく依頼企業の求人を埋める為」に使います。
これが中途採用の転職活動であれば、お互いに社会人、お互いにビジネスマンなので、プロとプロの付き合いになります。
転職市場の最新状況についてはエージェントの方が詳しいかもしれませんが、業界事情や仕事に求められるスキル等については、こっちの方が遥かに詳しい。
これならお互いに情報交換が成り立ちます。
一方、新卒の場合、お互いの知識レベルが全然違うので、学生は圧倒的に不利で、「就活エージェント」が言っていることが本当なのか嘘なのかも正しく判断できません。もはや大人と子供の戦いです。学生側が確実に不利です。
両者の利害関係が一致していて、目指すものが同じで、エージェントも学生も同じベクトルを向いているのなら良いのですが、実際には、学生は「自分の人生のため」に就活をしていて、一方、就活エージェントは、「企業からもらえる報酬のため」に仕事をしています。
これは、必ずしも一致はしません。
仮に、自分にとって実はあまり合わないブラックな求人だったとしても、重要な情報を隠されたりしていても、何も知らない就活生は、エージェントから強く言われると「ああ、そうなのか」と思ってしまいます。
怖いのは、学生は、「自分が就活で失敗してしまったこと」にさえ、気がつかないということです。
早い時期に内定が決まって、ああ良かった良かったと思っていても、あなたは、もし「就活エージェント」がしつこく勧誘してきた求人を蹴って、後で大手企業を受ければ、大手企業に入れたかもしれません。
でも、すでに内定承諾書にサインをしてしまったから、もう就活に疲れたから… と大手企業に応募もしないで、就活を早々に終わらせてしまっているかもしれません。
こういう話は実際にそこら中に転がっています。
仮に、あなたに大手企業に内定をもらうチャンスがあり、100%そっちの会社に入った方があなたの人生にとってプラスであることが分かり切っていたとしても、彼らは立場上、「大手に行くより、この中小企業を受けた方が絶対にいいですよ」と言うに決まっています。
そうしないと、彼らに報酬は1円も入らず、あなたと今話している意味がなくなってしまうのだから。
彼らは「仕事」でやっているのだから、当然です。
繰り返しますが、私は彼らを批判している訳ではありません。
「就活エージェント」とは、そういう構造のビジネスということです。
良いエージェントと悪いエージェントがいるわけではなく、新卒の「就活エージェント」は全部、元々そういうものです。
中途採用の転職活動では、エージェントを使うのが基本ですが、新卒採用の就職活動では、エージェントを使っても、ほとんどの人にとってあまり良いことは無いでしょう。
最後に
最後に、逆に、「就活エージェント」を使ってもよい人は、どんな人か、ということを書いておきます。
敢えていえば、就活を短時間で楽をして終わらせたい人や、本当に1人だと何もできないダメな人には、「就活エージェント」を使うことにもメリットがあるのかもしれません。
それ以外の人は、基本的に「就活エージェント」は使わない方がいいと思います。自分の就活を、エージェント都合で破壊されたくないのであれば。
就活は、辛いです。
厳しい戦いです。
でも、社会人になると待っているのは、もっと厳しい毎日です。
新卒の就活エージェントとは、私は、就活に臨む無知な大学生の不安な気持ちを煽って、優しい顔をしてアドバイスをしているように見せかけて、本来あなたが見向きもしなかったような不人気の中小企業の求人にあなたを紹介して中間マージンを得る、極めて恐ろしい商売ではないかと思っています。
就活に対する不安が押し寄せて、ついついエージェントに頼りたくなってしまう人もいると思います。
でも、自分の頭で考えて、自分で自分のキャリアを選ぶことでしか、本当の意味での「就活の成功」は、ありません。
以上は、私の個人的な意見です。
信じるかどうかは、あなた次第です。
自分の頭で考えて、自分で判断をしましょう。
就活エージェントを使わずに、どうやって就職活動を戦い抜けばいいの? という話は、下の記事に詳しく書いているので、読んでみてください。
就活攻略 note記事:
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【新卒入社「穴場」優良企業 10選】『就職四季報』で、「自分の実力的に内定が出る企業」を選ぶ方法
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以上、お相手は、安斎 響市でした。