転職は、ひとつの試練です。
今までいた環境を捨てて、次のステージへ旅立つとき、様々な障害が、自分の前に立ちはだかります。あらゆることが、「今まで通り」というわけには、いかないから。
この記事では、そんな「転職直後」の方々に対して、最初に気を付けるべきこと、入社後の3カ月程度の短期間で確実にやるべきことをまとめています。
その前に・・・
転職活動ってどうすればいいの?という方の為には、こちらの記事に、転職攻略法を徹底的に書いておりますので、ぜひご参考ください。
「安斎響市の転職プロジェクト」
① 運命を引き寄せる「職務経歴書」の書き方 & 応募企業の選び方
② 相手を一撃で惚れさせる、圧倒的「面接」テクニック
③ 年収を爆発させる「給与交渉」と「退職」の出口戦略
転職後にやるべきこと① 「前職」のルールは忘れて「お作法」を学ぶ
さて、まず最初のトピックは、こちら。
「前職」をむやみやたらと次の職場に持ち込まない
これは特に「新卒で入った会社にある程度長く勤めた後の初めての転職」という方、「前職が有名企業で、前職のやり方に誇りを持っている」という方に非常に多い傾向ですが、やたらと「私の前の会社では・・・」と前職の話をしてしまう、という行動です。
これは、ほぼマイナスの効果しかありません。
意識的に気を付けておいた方がいいと思います。
上から目線の「前職トーク」は、敵を作るだけ
もちろん、会社は、あなたの前職での経験を高く評価したから、あなたを雇うことを決めたのだとは思いますが、これは必ずしも「あなたの前職のやり方をこの会社に持ち込んでほしい」ということではありません。
会社が違えば、仕事のやり方は違います。
社是や経営方針も違うので、「何が正しいか」も違います。
一番ダメなのは、
「私の前職では、こういうやり方で成功しましたけどね」
みたいに、新しく入った会社のやり方を否定して、前職のルールと判断基準で「上から目線」で物を語ることです。
こういう人の第一印象は最低です。一瞬で敵を作って、周りからの自分の評価を下げてしまいます。
私の元同僚にもいました。
私自身はもう何回目か転職で、ある程度転職には慣れているのに対して、同時期に中途入社したある同僚は、新卒から13年勤めた前職が大好きなようで、入社して最初の自己紹介も、着任挨拶のメールも、前職の社名を何度も出して前職の自慢話のような内容。
日本法人のVP(執行役員)との顔合わせでも「前職の○○では、経営方針として・・・」と前職の話ばかりで、もはや自分の紹介なのか、前職の紹介なのかも分からないほどで、温厚なVPもこの時は顔を引きつらせて「その前職の経験を活かしつつ、それが全てだと思わないことが大事ですね」とその社員に諭すように、少し呆れたように言っていました。
その会社には、その会社の「ルール」と「お作法」がある
外資系企業の場合だと、「試用期間」は本当に文字通り「試用」であり、3か月~6か月の試用期間終了後、正式採用されずにサヨナラ、ということも別に珍しくはありません。
私も何人か見たことがあります。試用期間終了と同時に会社を去った人を。
そして、ここで正式採用されるために必要なのは、「短期間に結果を出すこと」ではありません。
「この会社に馴染める人材だと周囲に示すこと」です。
私が複数の外資系企業で見てきた限り、試用期間終了と同時に追い出された人たちは、仕事のパフォーマンスの問題ではなく、態度やコミュニケーションの問題が原因でした。
もちろん、当の本人だって、「短期間に辞めてもいい」なんて思っているわけではなく、この会社で気持ちよく働きたいと思って入社したはずなのに。
他人事ではありません。
誰でも、無意識のうちに、ついつい「前職の前提」で話をしがちです。
意識的に、自分ではじめから気を付けておかないといけません。
仮に、自分の経験から言って「間違っているように見えた」としても、それは「そう見えるだけ」かもしれません。あなたはまだ、この会社のことを何も知らないのだから。
人はみんな、自分の経験からしか何かを語ることはできません。
自分の社会人経験が前職1社だけであれば、「前職のルール」が「社会のルール」だと考えてしまいがちです。
こういう特定の会社でしか生きていけない「井の中の蛙」にならないために、「転職」という素晴らしい手段があるはずです。
一旦は、前職で学んだことは最初から100%発揮せずに、横に置いておいて、新しい会社のことを謙虚に学ぶ姿勢が大事です。
これができない人は、恐らく転職に失敗します。
転職後にやるべきこと② 周囲へのリスペクトを持って、きちんと自分の意見を言う
さて、続いては、、、
「入社初日から自分の意見をきちんと言う」
さっきまで「前職のことは忘れて謙虚にしてろ」って言ってたのに、今度は「意見ははっきり言え」って矛盾してない?と思う人もいるかもしれません。
矛盾してません。
なぜなら、「謙虚な態度」と「何も言わないで黙っている」のは全くの別物だから。
先ほど、①で述べた通り、自分の前職での経験を「上から目線」で自慢げにひけらかす人や、新しい会社のやり方を一方的に否定しようとする人は、圧倒的に嫌われます。
しかし、一方で、この会社があなたを雇ったのは「社内メンバーには無い経験や知見」を期待しているからです。
期待には応えないといけません。
「否定的」にならないように配慮をした上で。
堂々と構えて余裕を見せつつ、自分の意見を共有する
周りのメンバーは、他社から加わったあなたがどんな考えを持っているのか、どんなアイディアを出してくれるのかに、非常に興味を持っています。
「面白そうな人が入ったな」と期待してくれていれば、必然的に「○○さんはどう思いますか?」と初日から聞かれます。
この時、自信満々で前職の知識をひけらかしてはダメなのですが、同時に、
「いえ、あの… 私はまだ入社して日が浅いので… ちょっと分かりません」
と何も意見を言わない人は、これもまた同様に第一印象を下げ、「期待外れだな」と低評価を受ける原因になります。
「前職のやり方が全てではない」と意識しておくと同時に、「この会社の既存のやり方が正しいとは限らない」という意識も、持っておかないといけません。
長く同じ会社にいる人には決して見えないものが、あなたには見えます。
あなたにとって「今まで前職で自分が常識だと思っていたものが、実は常識ではなかった」という体験をする時が来るのと同じように、「この会社で常識と呼ばれているものとは明らかに違う考えが、自分の中にある」というケースも多々あります。
「前職の時と全然違う・・・どうしよう・・・分からない・・・・」
と卑屈になる必要は全くなく、
相手に対して、新しい会社の文化や仕事のやり方に対して、きちんと理解とリスペクトを持つという前提で、上から目線にならないように配慮しながら、自分自身の考えをはっきりと言葉にすることは、とても重要です。
これが新卒採用なら、黙っていて意見を言わない新人もしばらくは許されるでしょうが、中途採用は違います。
言うまでもなく「即戦力」であることが求められます。
上から目線で偉そうな印象も、ビクビクして頼りない印象も、相手には決して与えず、あくまで、
「自分はこの会社のことは知らないので勉強させていただく」という謙虚さ
「自分には自分独自の経験とスキルがあり、会社に貢献することができる」という心の余裕
これらを態度と行動で周囲に示せれば、入社後の第一関門はクリアだと思います。
周りのすべての人に、敬語とリスペクトを
ここで、やはり大事なのは周囲へのリスペクトです。
社員全員に、できる限り丁寧な敬語を使いましょう。
年下だろうが、自分と同時に入社した新人だろうが、100%敬語です。前の会社がどうだったか分かりませんが、この会社ではどういう雰囲気で、敬語はどの程度使っているのか、なども未知数です。
また、今の時代、「年下だから」「社歴が浅いから」という理由だけで初対面でいきなりタメ口を聞くような人は、絶対に尊敬されません。10歳以上年下だとしても、この会社では「先輩」です。
すべての人に最大限の敬意を払いましょう。
メールの書き初めは、常に、
「ご意見ありがとうございます。」
「情報共有ありがとうございます。」
と感謝から始める癖をつけましょう。
何か質問をされたら、
「ご質問ありがとうございます。」
何かを教えてもらったら、
「ありがとうございます。勉強になります。」
と、常に周囲の社員全員へ感謝とリスペクトを示すことを心がけましょう。
こんなのは習慣なので、一度身に着けてしまえば、息を吸うように「ありがとうございます。」という言葉が口から出てくるようになります。
仮に、相手が苦手なタイプで、本心ではあまり感謝していないとしても、習慣として「ありがとうございます。」と常に言うようにしておけば、感謝されて嫌な人はいません。余計に敵を作ることを防げます。
どんな会社でもうまくやっていけて、どこにいっても「優秀だ」という評価を得るための第一歩は、こういった感謝とリスペクトを自分の習慣にすることです。
転職後にやるべきこと③ 入社初日から「次の転職」を見据えておく
最後は、身も蓋もない話に聞こえてしまうかもしれませんが、入社初日から「次の転職」を頭の片隅に入れておく、ということです。
これは、私が30代前半までに4回も転職しているジョブホッパーだから言っているわけではありません。
まあ、私がジョブホッパーであるのは事実なんですが(笑)、
私みたいに3回も4回も転職しないとしても、あなたが今年転職で入社した会社に、定年までずっと在籍できる保証なんてどこにもありません。
今の時代、「これが最後の転職」なんてことはない
トヨタの社長でさえも、「もう終身雇用を守るのは難しい」と公に発言しているくらいです。トヨタでさえも、そんな状況なのです。
もはや「一生安泰の大手企業」なんて、ただの幻想でしかなく、日本の労働市場において「安定」なんてものは存在しません。
もちろん、私のように、バカみたいに転職を繰り返す必要性は全くないし(笑)、できれば短期間に転職をするのはやめておいたほうがいいと私自身も思いますが、一方で、「今回の転職で最後」「この会社に定年まで勤める」なんて思っている人は、かなり危ないです。
これでは、一度も転職をしないで、一つの企業にしがみ付いている超ヤバい人たちと同じです。
きっと、またいつか「転職を考えるタイミング」は来ます。
その時の為に、
この仕事は「自分の職務経歴書を強くする」ものか?
という視点は常に持っておいて、自分のキャリアを継続的に自分で構築していく意識は確実に必要です。
転職したその日から、その会社で自分の新しいキャリアが始まるわけですが、この方向性が間違っていないか、自分の価値を上げられる職場かどうかを、常に考えて、自分をアップデートし続ける努力が大事です。
たぶん、それが本当の「安定」を手に入れる方法です。
常に「転職」が頭にある人材が最強
そして・・・
逆説的ではありますが、
「いざとなったら転職してもいい」という意識が常に頭の片隅にあるからこそ、今の会社で自由に仕事ができるようになるし、純粋に仕事を楽しむことができるようになるんですね。
例えば、
「今の会社をクビになったら、自分は終わりだ・・・」
なんて思っていたら、上司には絶対に逆らえませんし、周りに強く自分の意見を主張することもできません。
失敗しないように、周りに嫌われないように、ビクビクしながら仕事を続けることになってしまいます。
「いつでも転職できる」人材が、最強なんです。
転職するとしても、しないとしても。
この会社、何かおかしい…と思ったら?
さてさて、以上が、転職後、最初の3カ月でやるべきこと①~③でした。
私の個人的な意見ではありますが、「転職」によって「社畜の呪縛」から逃れ、自分自身のキャリアを歩むために、ある程度のヒントにはなると思います。
転職には、人生を変える力があります。
それは、良い方向にも、悪い方向にも。
転職には、常に「リスク」があり、そして、転職の前後では常に「ギャップ」があります。
転職は本当にエネルギーを使います。転職後に、新しい会社で何もかも全てが上手くいくなんてことは、きっとありません。
私自身も、20代の頃、初めての転職で大失敗して、絶望を味わったことがあります。
入社した後に、
何かがおかしい・・??
この会社、自分の居場所ではないのではないか・・・・??
と感じてしまうこともあると思います。
その「悪い予感」は、克服できる場合と、そうでない場合があると思います。
この時、せっかくあなたは今回「転職活動」という経験をして、「内定」を獲得することに成功したのだから、もう「今の会社でずっと働かなければならない」なんて強迫観念に縛られないで生きることが大事です。
せっかく、自分の人生を切り拓こうとして、新しいキャリアを築こうとして、働きやすい環境を求めて、「転職」という大きな決断をしたのに、それで自分が不幸になってしまったら、何の意味もありません。
自分はいつでも転職できる。
今の会社にしがみ付く必要はない。
そう思えることが「本当の安定」です。
常に転職のアンテナを張っておく為のヒントは、他の記事に書いてあります。
転職活動について、もっと知りたい人へ
「安斎響市の転職プロジェクト」
① 運命を引き寄せる「職務経歴書」の書き方 & 応募企業の選び方
② 相手を一撃で惚れさせる、圧倒的「面接」テクニック
③ 年収を爆発させる「給与交渉」と「退職」の出口戦略
読むか、読まないかは、あなた次第です。
「安斎響市の転職プロジェクト」
① 運命を引き寄せる「職務経歴書」の書き方 & 応募企業の選び方
② 相手を一撃で惚れさせる、圧倒的「面接」テクニック
③ 年収を爆発させる「給与交渉」と「退職」の出口戦略
「第二新卒」の転職向け
※「新卒3年以内の早期離職」については、あまりにも問い合わせが多いので、別途、noteで特集記事を書きました。
安斎響市の「第二新卒」転職プロジェクト
この記事では、第二新卒の転職について、網羅的に書いてあります。
興味のある方は、ぜひこちらもどうぞ。
安斎響市の「第二新卒」転職プロジェクト
では、皆様ひとりひとりの、後悔の無い、幸せな転職を、心より祈っております。
お相手は、安斎 響市でした。
オススメの転職エージェント
公式サイト:【転職支援実績No.1】転職成功するならリクルートエージェント <PR>
公式サイト:正社員の就職・転職サポートなら20代の満足度No.1エージェント | 第二新卒エージェントneo <PR>
公式サイト:外資系・グローバル企業・ハイクラスの転職ならJAC Recruitment<PR>
※本記事の内容、紹介するサービス・製品のリンクには、広告やプロモーションを意図したものを含みます。あらかじめご了承ください。