英語の履歴書・職務経歴書って、どうやって作ったらいいの?
日本語のものを、そのまま英語翻訳すればいいの?
外資系企業やグローバル企業への就職活動・転職活動で、こういった悩みを持つ人は多いと思います。英語での応募書類作成って、馴染みがない人にはなかなか大変です。
この記事では、過去に転職4回、日系グローバル企業の海外駐在員や、外資系大手IT企業の管理職として採用活動にも携わってきた私が、「最速で英語の職務経歴書を仕上げる方法」を紹介します。
最新のAIツールを使用した方法なので、どんな方でも30分あれば、英語の応募書類を完成させることができるでしょう。
※今回の記事はアドビ社のPR企画「みんなのデザインチャレンジ」に参加して執筆しています
はじめに:英語の履歴書・職務経歴書の基本
日本語の履歴書と英語の履歴書3つの違い
英語で履歴書を作るとき、「いつも使っている日本語の履歴書を、そのまま英語に変換すればいいんでしょ?」という安易な考え方をしていると、書類選考であっさり不合格になってしまいます。
日本と英語圏では、採用活動のシステムがかなり異なりますし、外資系企業では、書類選考の担当者が外国人であることも多く、英語圏のルールに沿って書類を作成する必要があります。
日本語の履歴書と、英語の履歴書の主な違いは下記の3点です。
応募書類は1種類
日本では「履歴書」と「職務経歴書」の2種類の書類を用意するのが一般的ですが、英語圏で扱われるのは、基本的に「レジュメ」「CV」と呼ばれる、非常に簡潔な書類の1種類だけです。
時系列を遡って経歴を記載する
日本語で職務経歴書を書く際は、新卒入社の最初の仕事から時系列順に、古いもの ⇒ 新しいものの順番で書きます。一方、英語圏では逆で、現職の仕事を一番最初にして、新しいもの ⇒ 古いものという順で遡って書きます。
書式やフォントが重要
日本では、あまり職務経歴書の書式などを細かく問われることはありませんが、英語圏では、文字のフォント、余白、レイアウトに至るまで、細かい部分への配慮が必要です。これは、かなり見落としがちなポイントです。
英語の履歴書の主要形式3つの特徴
英語の履歴書には、3つの異なる形式が存在します。それぞれ、特徴を理解しておきましょう。
クロノロジカル・レジュメ
最も一般的な形式。年表形式で、現職の仕事から、一つずつ過去へ遡って職歴を記載していくもの。
▲Adobe Expressに用意されているクロノロジカル・レジュメの例
ファンクショナル・レジュメ
職能別に、「エンジニアの経験」「PMの経験」など、担当業務や役職ごとに分けて記載する形式。過去の経歴を、時系列を無視して内容ごとに書く。
▲Adobe Expressに用意されているファンクショナル・レジュメの例
コンビネーション・レジュメ
上記2つの組み合わせで、年表形式と、職能別形式の記載を両方書くものです。
▲Adobe Expressに用意されているコンビネーション・レジュメの例
このうち、実際に使うのは、ほぼクロノロジカル・レジュメのみと考えて良いです。
私は過去に2つの外資系企業の管理職として採用に携わった経験がありますが、クロノロジカル・レジュメ以外の形式はあまり見たことがありません。
やはり、クロノロジカル・レジュメが最も一般的で広く使われるというのが事実です。
また、日本国内にある外資系企業だと、採用担当者の一定数は日本人なので、日本の職務経歴書の書き方に最も近い(時系列を逆にしただけ)のクロノロジカル・レジュメが直感的に分かりやすく好まれる、という事情もありそうです。
英語の履歴書に必要な項目と書き方
英語の履歴書(レジュメ)に記載が必要な項目は、主に以下のような内容です。
氏名と連絡先
経歴要約
職歴(最新のものから遡って書く)
学歴
スキル・能力・受賞歴など
ちなみに、「学歴」は、基本的に最終学歴のみを記載します。日本の履歴書だと、高校から書くことが多いですが、大学卒の人の場合、高校名は原則不要です。大学院を出ている場合は、大学の学部卒と院卒の経歴、両方を書きましょう。
「受賞歴」に関しては、社内表彰などではなく、外部の専門機関や公的機関、あるいはビジネスコンテストでの優勝経験など、客観的なものに絞って書くようにしてください。ここで「社内3位を受賞」「チーム内で表彰された」などと書いても、何がどのくらいすごいのか伝わらないため、余計な情報になってしまいます。
英語の履歴書に不要な項目
一方で、日本語の履歴書には書くことが多いものの、英語のレジュメには基本的に不要、という項目もあるので、十分に注意してください。
主に、下記の項目は記載不要です。
志望理由
趣味
自己PR
希望年収
レジュメは、あくまで経歴を淡々と書くだけの簡潔な書類なので、自分自身の考えや熱意、自己アピールなどは書く必要がありません。また、企業の人事部に希望条件などを伝える書類でもありません。
余計なことを書くと減点対象になるので、気を付けましょう。
英語が得意でない人でも簡単に履歴書を作る方法3ステップ
さきほど、日本語と英語の履歴書の間にある3つの違いの一つとして、「書式やフォントが重要」という説明をしました。
つまり、日本の堅苦しい履歴書とは異なり、デザインの自由度があると同時に、一定のお作法に従って作る必要があることを意味しています。
英語圏での書類選考では、職歴・スキルなどの記載内容と同じくらい、「読みやすい書類を作成する能力」を厳しく評価されています。
ダラダラと余計な内容を長く書いたり、余白が少なく文字が小さいなど視覚的に読みづらい書類を作ったりすると、致命的な減点要素になってしまいます。
とはいえ、初めて英語の履歴書を作る人にとっては、どのフォントを選ぶべきか、余白はどの程度取るべきか、どの項目をどの程度の文字数で書くべきかなど、なかなか分かりませんよね。
ここからは、英語があまり得意でない人、外資系転職の初心者でも「簡単に英語の履歴書を30分で作る方法」を紹介します。
英語の履歴書を30分で作る方法
- テンプレートとデザインを選ぶ
- 応募企業に合わせてデザインを調整する
- 文章を英語翻訳して反映させる
一つずつ、詳しく説明します。
1.テンプレートとデザインを選ぶ
今回は、アドビ社のAdobe Expressというツールを使用します。
Adobe Expressは、誰でも基本無料で簡単に使える、スマートなオンラインデザインツールです。
Adobe Expressの検索画面で「履歴書」「CV」などと検索すると、たくさんのテンプレートが出てきます。この中から、自分に合いそうなものを選んでいきましょう。一部、有料のものもありますが、多くのテンプレートは無料で使用可能です。
デザインの専門知識などがなくても、直感的に気に入ったものを選ぶだけで、スマートで読みやすい書類を作ることができます。
上記はAdobe Expressで使える英語履歴書テンプレートの一例です。カラフルなもの、写真付きのもの、シンプルなものなど、用途に応じて使える多種多様なテンプレートが用意されています。
外資系企業・グローバル企業では、外国人の面接官と、日本人の面接官の両方がいます。あまり欧米形式に染まりすぎると、日本人の面接官に、軽い違和感を与えてしまいます。
これから応募しようとしている会社の社風などに合わせて、ある程度シンプルなテンプレートを選んでおくのが無難でしょう。
これらの既存のテンプレートを使えば、あまり細かいことを気にしなくても、英語履歴書に記載すべき適切な項目や、各項目の文字数、余白の作り方などのイメージがつくので、初めての作成であっても、非常にスムーズです。
2.応募企業に合わせてデザインを調整する
Adobe Expressの良いところは、豊富なテンプレートをそのまま使うだけではなく、状況や用途に合わせて自由に編集ができることです。
例えば、「全体の見た目は良いんだけど、ちょっと色が派手過ぎるな」「自分の状況だと、この項目は記載不要だな」などと思った場合は、配色を変更したり、枠組みやレイアウトなどを自由に調整したりすることができます。
ただし、Adobe Expressで使用できるテンプレートは全てプロのデザイナーが履歴書用に考え抜いて作ったデザインになるため、基本的にはなるべくテンプレートを活かした方が良いです。
個人的な好みで余白を狭くしたり、文字を小さくし過ぎたりすると、せっかくのデザインの良さを損なうこともあるので、注意しましょう。
3.文章を英語翻訳して反映させる
続いて、記載する英語文面の作成です。
Adobe Expressのテンプレートを眺めていると、「なるほど、こんな感じで書けば良いんだな」という具体的な書式のイメージが湧いてきます。
あとは、これに合わせて英語の文言を作っていけばいいのですが、いちいち自分で英語を作るのがちょっと面倒くさいな、という人は、自動翻訳ツールを使ってしまいましょう。
3-1. 元となる日本語を用意する
すでに日本語の職務経歴書は持っていると思うので、そこから日本語をコピペして、テンプレートの文体に合わせて、箇条書きで切り取っていきましょう。
作成手順としては、元の日本語がすでにある状態で、それを箇条書きにして短くしていく作業なので、それほど難しくはないはずです。
一つひとつ自力で日英翻訳をしていくと時間がかかるので、この時点では日本語のまま切り取ってテンプレートに載せていく形で構いません。
3-2. 翻訳ツールを使って英訳する
続いて、英語へ翻訳する作業です。
Adobe Expressテンプレートに合わせて作成した日本語を、オンラインの日英翻訳ツールなどに流し込めば、ほんの数秒で英文が自動生成されます。最近は多くの優秀な翻訳ツールがあるので、どれでも好きなものを使ってください。
職務経歴書は、ある程度形式ばった書類であり、かつ、箇条書きの簡潔な文章が求められるという性質上、自動翻訳であっても十分なクオリティの英語が作成可能です。
ちなみに、Adobe Expressの編集画面上にも「翻訳(※)」というボタンがあり、こちらで日本語 ⇒ 英語へ翻訳することも可能です。
※翻訳はプレミアムプランの機能です。無料版では利用できる回数に制限があります。
3-3. 最終調整とレビューをして完成させる
最後に、しっかりと文書のレビューをします。
便利なツールを使って短時間で作っている分、やり方によっては精度が荒くなることもあるので、改めて細部まで確認して、仕上げをしましょう。
日英翻訳のミスがないか
役職名や会社名が間違っていないか
レイアウトや余白に変な箇所がないか
日本語フォントなどが残っていないか
印刷時に見づらくなる部分などがないか
文章がムダに長すぎないか
内容的に魅力的なものになっているか
最終チェックと、応募企業の「求める人材像」に合わせた記載の調整などをして、英語の履歴書を完成させていきます。
いかがでしたでしょうか?
おそらく、上記の手順であれば、はじめて英語履歴書を作成する人でも、30分程度で簡単に作ることができたのではないでしょうか。
Adobe Expressは誰でも無料で使えるので、ぜひ試してみてください。
おわりに:外資系・グローバル企業転職の最短ルート
以上、この記事では、「英語の履歴書・職務経歴書を30分で作る方法」を紹介しました。
最新ツール・Adobe Expressの機能に含まれるデザインテンプレートを使えば、誰でも簡単に、英語の履歴書・職務経歴書を短時間で作成することができます。
外資系・グローバル企業特有のルールを知ろう
日系企業向けの転職活動と、外資系企業・グローバル企業向けの転職活動は、やり方がまったく異なります。
当然、応募書類の作成に関しても、日本語の書類を書くのとはまったく認識が異なるので、英語書類ならではのポイントをしっかり押さえましょう。
正しいやり方さえ分かっていれば、それほど難しいことではありません。
その他の参考記事
外資系転職・グローバル企業転職に興味のある方は、ぜひ他の記事も参考にしてみてください。
皆さまの転職活動の成功を、心から応援しています。
お相手は、安斎響市でした。