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「海外で働く」を実現する、3つの手段



「海外で働いてみたい」

そんな希望を持っている学生や、社会人の方は多いと思います。




私は、学生時代に海外の大学への留学(香港・北京)を経験し、

その後、26歳の時に、日系企業の海外駐在で、
一定期間、上海で働いていたことがあります。

今は、アメリカに本社を置く外資系企業で、部長職として働いており、
「いつかまた、海外で働けたらなあ」くらいに思っています。






今日は、
「海外で働く」を実現する3つの手段について、

ご紹介します。






さて、今日お話しするのは、
あくまで「海外現地に移住して、現地で働く」手段です。


日系企業の日本国内オフィスに所属して、
「海外との電話やメール」「海外出張」等を通して、海外と関わって働く、

という仕事には、今回はあまり触れません。

また、私が言っている「海外で働く」に、
「ワーホリ」や「海外青年協力隊」等は含みません。


これらは「働いてお金を稼ぐ」というより、
「お金を払って海外に行く」方法や、単なる「ボランティア」であり、

「キャリア」とはとても呼べないので。


ただ「海外で暮らしたいだけ」なら、ワーホリでもいいと思いますが、
それならバックパッカーで海外放浪しているのと大差はありません。



この記事では、現実的に「キャリア」の視点で、

ビジネスパーソンとして海外で「働く」方法
について語りたいと思います。




「海外で働く」を実現する、3つの手段




早速、本題に入りますが、

日本から海外にわたって働くための「3つの手段」は、下記の通りです。



①海外駐在

②海外現地採用

③外資系の本社への異動





この他にも、

「単身渡米して自分の蕎麦屋をオープンする」とか、
「日本国内で起業して作った会社の海外進出」とか、

まあ方法が無いわけでもないのですが・・・

こういうのは「普通のサラリーマン」の範疇を逸脱していて、
ほとんどの方には参考にならないと思いますので、この記事では触れません。

イチかバチかのギャンブルではなく、
現実的に海外を目指す方法は、上記の3つだと思います。




一つ一つ、紹介していきましょう。






①海外駐在



まずは、日系企業の「海外駐在」です。


「海外で働く」を実現する手段

①海外駐在
難易度 ★★★★☆
安全性 ★★★★★
満足度 ★★★☆☆



ある意味、
最も「現実的」で「安全」に「海外で働く」手段だと言えると思います。


他の手段と比べると、リスクは低いです。




簡単に言うと、

海外進出してグローバルに事業展開している「日系企業」に入社し、
そこから、日系企業の「海外支社」に転勤する、
という方法です。




メリットは、
会社が、何があっても完全に守ってくれるので「鉄壁の防御」で、
多くの場合、「待遇もめちゃくちゃに良い」、ということ。


デメリットは、
「海外駐在員に選ばれるのは極めてハードルが高い」ということです。







「海外駐在員」の枠が多い企業は、主に「商社」か「メーカー」ですが、

言うまでもなく、こういった企業のビジネスの中心は「海外」にあり、
「日本国内ビジネス」よりも「海外ビジネス」の優先度のほうが極めて高いです。



「海外駐在員」は会社の「要」的な役割を果たし、
「海外駐在から帰ってくると家が建つ」と言われた昔の名残で、

日系大企業の「海外駐在員待遇」は極めて良く
それが理由で、限られた「海外駐在員」の枠を社内で争う、
熾烈な競争があります。



上記は一例ですが、大企業の海外駐在員の待遇は、
時に、信じがたいほどに「バブリー」です。バブル時代の産物なのでしょう。



私が過去にいた大手メーカーでは、
「マリオがスターを獲った状態」と言われていました。

いわゆる「無敵」状態です。



スターは、いつか消えます。
3年、5年といった「期限付き」ではありますが、

海外で、夢のような贅沢な暮らしをすることも、可能です。



就労ビザも、家探しも、手続きなども、医療も、保険も、子供の学校なども

全部丸ごと、会社が面倒を見てくれます。




防御力は、最強です。



ただ・・・

一点、注意した方がいいのが、
これはあくまで、「日経225」に入るような大手有名企業の話で、

実は、中堅メーカー、ニッチ無名メーカーなどの海外駐在員の待遇は、
それほど良くない、という場合も多々あります。


このような「大手以外」に入った方が、社内競争が少なく、
「海外駐在員」になるチャンスは大幅に増えますが、大手ほどの待遇は望めません。




私が上海駐在時代に出会った日本人駐在員の中には、

「日本にいた時と給料は同じ。こっちのほうが家賃が高いので収入は減った」

という人もいました。




また、実は、
海外駐在員の仕事は、一見華やかに見えますが、

実態としては「社内調整役」「本社への報告係」に過ぎず、
必ずしも「仕事のやりがい」はなく、かつ「グローバルビジネススキル」が身につくとも限りません


私が過去に駐在していた上海では、
「中国に10年いるのに日本語しか喋れない駐在員」も沢山いましたし、

大手企業であればあるほど、現地のローカル社員(中国であれば中国人社員)が日本語を流暢に喋る上、

「本社から来た人」として特別扱いされるので、仕事は、実はそれほど高度ではありません。







そして、前述の通り、

大手企業で海外駐在員になるためには、
社内の「熾烈な競争」を勝ち抜かないといけません。





私がいた日系大手メーカーの同期100人のうち
入社してから35歳までに海外駐在員になれたのは、3人だけです。


「海外営業部」に行くだけでも、配属希望を出し続けて5年以上待つ人もいます。

「海外駐在したい」と言って、15年以上、結局、駐在員になれない人も普通にいました。




というのも、一筋縄ではいかない点としては、
駐在員になるためには、単純に「優秀であること」や「語学力」だけではなく、
「社畜であること」が、強く強く求められる、ということです。



私が知っている日系大手メーカーの海外駐在員は、全員が漏れなく、
筋金入りの社畜でした。

役員に「全裸で踊れ」と言われたら、すぐさま全裸で踊り出すような人たちです。




まあ、ハードルは高いのですが、
「キャリア」へのプラスという意味でも、待遇・給料という意味でも、
得られるリターンは非常に大きいので、



日本国内に軸足を置き、大企業の「安定」を全力で守りながら
3-4年くらい「海外気分」好待遇で味わいたい、
くらいの気持ちなら、

海外駐在員を目指すのが、一番良いかもしれません。








②海外現地採用



続いて、2つ目は、海外の「現地採用」です。

「海外で働く」を実現する手段

②海外現地採用
難易度 ★☆☆☆☆
安全性 ☆☆☆☆☆
満足度 ★★☆☆☆



その名の通り、
日本にある企業からの派遣ではなく、

まず、自分が仕事をしたい国の現地にわたり、

そこで自分を採用してくれる会社を探す、というのが、
この「海外現地採用」です。




メリットとしては、
これは「自分の覚悟」さえあれば、
「英語力」も「グローバル企業への所属」も無くても、誰でも使える手段
である、
ということです。



デメリットとしては、
「会社が自分を守ってくれる」ということは一切ないので、
海外生活の危険や、収入ゼロになるなどのリスクがあることです。




実現のためのハードルが低い分、条件は厳しいです。



「仕事が見つかるかどうか」も自分次第ですし、
「ある日突然仕事がなくなる」可能性もありますし、


ビザの手続きや、医療や、保険なども、
すべて自分で調べて対応して、何もかも自分で責任を負わないといけません。



もちろん、現地採用だと全てが「自分次第」なので、
「シリコンバレーのIT企業に好待遇で現地採用される」などのケースもゼロではないですが、

これは、ごく一部の超優秀な人だけの話です。



ある程度大きな日系の会社などの「現地法人」に採用される場合なら、
まだいいですが、

フラッと単身、海外に乗り込んで、すぐに見つかるレベルの仕事など、
正直言って結構「ヤバイ」仕事です。


アルバイトに近い場合も多いです。




私の知人友人にも、何人か、
「日本からの派遣」ではなく「海外現地採用」で、
過去に海外で働いていた人たちがいますが、

彼らが就いていた仕事は、
現地の和食レストランで掃除と皿洗い観光現地ツアーの会社の日本語電話対応など、

「キャリア」と言うには非常に厳しいものでした。



また、「現地採用」の場合、
小さい会社だと、就労ビザは出ないと思った方がいいです。



実際、「観光ビザ」で、
30日ごとに入出国を繰り返すなどして「不法滞在」にならないようにして、
グレーゾーンで現地で働いている人は割と多いです。

厳密に言うと、これは「違法」なので、
もちろん、罪に問われるリスクもゼロではないです。




個人的には、今日ご紹介する3つの手段の中で、
最も「オススメ出来ない」のが、この「海外現地採用」です。


日系大企業の海外駐在員が「鉄壁の防御」なのに比べると、
海外現地採用は「ノーガード」です。



仮に、日系大手メーカーの海外現地法人に、上手く「現地採用」として採用されたとしても、
同じ会社で働く日本人駐在員の5分の1とか、10分の1の給料・待遇で働くことになりますし、

あらゆる部分で「会社が守ってくれない」ですし、日本のような解雇規制はないので「簡単にクビになる」可能性もあります。



「現地採用スタート」で、ゆくゆくは「日本本社の社員として正式採用」
みたいな餌をぶら下げる企業もありますが、たいていは嘘です。


私は、某日系広告代理店の海外現地採用のまま、
8年間、薄給で働いている日本人を知っています。




名の知れた日系企業に雇ってもらえる場合は、
待遇が悪いと言っても、まだマシで、


私が香港留学時代に出会った、30代の夫婦は、
英語も中国語もほとんど出来ないため雇ってくれる会社がほとんどなく、

なんとか見つけた香港の現地採用で、「日本人向けフリーペーパー」の翻訳と編集の仕事をしていましたが、
年収は、2人合わせて300万円程度。

家賃の高い香港都市部になど住めるわけもなく、中心部から電車で2時間、
中国との境界線に近いド田舎の、ボロボロのアパートに住んでいました。


正直、「なぜ、この人たちは海外にいるのだろう・・・?」と疑問に思いました。



「海外に住みたい」というだけ
ならいいのですが・・・
本人のキャリアにとっても、恐らく何のプラスにもなりません。




「海外気分を味わいたい」だけなら、短期留学などで十分です。
今は、誰でも簡単に留学できるので、「英語を身に付けたい」「海外で暮らしたい」だけなら、
今の会社を「休職」にでもして、短期間だけ海外に行けばいいと思います。

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「海外現地採用」で自分で自分に責任を持つということは、
もちろん、「海外で生活する」ことに対する「身の危険」もあります。

運転手がついていたり、セキュリティ強固なタワマンに住んでいる駐在員と違って、
現地採用の社員が、少ない給料で住めるのは「現地の人たちと同じレベル」の安いアパートです。


極端な話ですが、最悪「死ぬ」と思った方がいいです。

そこまで行かなくても、
自分の長期的なキャリアが「台無し」になる可能性は、大いにあります。



生活レベルは、ほぼ確実に、日本にいるより落ちると思った方がいいでしょう。

現地採用というのは「現地の人たちと同じレベルの生活をする」ということです。




そして、自分が例えば、
アメリカで現地採用でGoogle本社に年収2000万で雇われる、みたいな超エリートなら良いのですが、

たいていの場合、日本人がいきなり海外に飛び込んでも、英語が相当高いレベルでないと仕事はほとんど見つからず、
かつ、仮に英語が高いレベルだとしても、英語が出来るだけでは「何もできない」のと同じなので、

多くの日本人は日系企業でアルバイトレベルの仕事か、
日本人向けの観光案内などのボランティアレベルの仕事に就くことになります。



つまり、自分の生活レベルは、
現地の「アルバイト・フリーターの人たち」のレベルまで落ちることになります。





たまに「海外にわたって、現地採用で働いて英語を身に付けたい」と、甘ったるいことを言う人がいます。

本当に、考えが甘すぎます。



まず、絶対的な「語学スキル」と、
海外現地でそれなりの企業に採用してもらえるだけの「高いビジネススキル」「豊富な海外経験」が無いと、
現地採用で上手くいく、ということは、ほとんどあり得ません。



アメリカだろうが、ヨーロッパだろうが、アジアだろうが、
「日本人であること」「日本語が喋れること」は、ほとんど何の武器にもなりませんからね。


私は、現在、外資IT企業の部長職で、過去10年以上、英語を使って海外を飛び回って仕事をしてきました。
海外留学経験、海外駐在経験もありますし、私の英語レベルは、外資系企業の中でも強い武器になるくらいには高いです。

それでも、正直言って、「海外現地採用」で仕事をしていく自信は、あまり無いです。
恐らく、年収は半分になると思います。





海外現地採用で「まともな年収を得てビジネスキャリアを積む」というのは、
それくらい「ハードルの高い」ことです。




あえて言えば、海外現地採用は「海外で働きたい」だけなら、
最も簡単で手っ取り早い、誰でも使える手段なので、

別にキャリアなんか気にしてないし、収入が大幅に減ってもいい、

人生一度きり、

自分の好きに生きたい!!とにかく海外行きたい!!

という人には、

「悪くない道」だと言えるのかもしれません。






③外資系の本社への異動



最後、3つ目は、「外資系の本社への異動」です。


「海外で働く」を実現する手段

③外資系の本社への異動
難易度 ★★★★★
安全性 ★★☆☆☆
満足度 ★★★★☆



これは、例えば、
本社がアメリカ、本社がイギリス、等の「外資系企業」の日本法人にまずは就職して、
それから、会社の中の海外への異動、本社への異動のチャンスを掴み取る、というものです。



メリットは、
日系企業の海外駐在員のように、社内政治や接待などの「社畜」をやらなくても、
海外駐在員に匹敵するくらいの待遇で、海外に移住することが出来る上、
ガチンコの海外ビジネスの現場で修行することが出来る、ということです。


デメリットは、
やはり極めてハードルが高く、英語レベルにしても、ビジネススキルにしても、
日系企業の海外駐在員の100倍くらい優秀じゃないと、とてもじゃないけど、
このチャンスは手に入らない
ということです。




実は、この手段は、
私も外資系で働くようになるまでは、知りませんでした。



日系企業には「海外駐在」があるが、
外資はあくまで、日本国内市場を担当する「日本支社の社員」なので、
日本以外の、海外で働くチャンスなど無い、と勝手に思っていました。



完全に、自分がバカでした。
私が無知なだけでした。


それは、
「本社の社員が会社のメインで、支社である現地法人は単なる子会社でしかない」という、
日系企業の常識に、私自身が囚われていたからです。


こう思っている人は非常に多いですが、この考え方は、「日系企業の常識」です。



「本社から来た海外駐在員は偉い」と思っているのも、「日系企業の常識」です。



実際に自分が外資に来てみて、振り返ってみると、
本当に恥ずかしい考え方だと思います。




会社にもよりますが、
多くの外資の大規模な会社は「グローバル採用」なので、

「本国の本社の社員」「海外現地法人の社員」

という区分はありません。



今私がいる企業でも、
基本的にアメリカ本社の社員でも、日本支社の社員でも、インド支社の社員でも、

「採用基準」や「評価制度」や「給与体系」は、同じです。



物価の違いがあるので、「場所による給与の違い」はありますが、
それはあくまで「場所の違い」であり、

「子会社の社員」だから給与が安いわけではなく、
日本支社やインド支社の社員でも、希望して本社に行けば、アメリカ水準の給与がもらえます。

(ちなみに、弊社では日本からアメリカに行くと、年収が2倍くらいになります。アメリカのほうが物価が格段に高いからです。)





「社内転職」の仕組みがあるので、
世界中のすべての支社で募集中のポジションの中から、
自分が行きたい場所の、働きたいポジションに応募して、面接を突破すれば、

海外どこでも、希望する場所で働くことが出来ます。





私の周りの、日々一緒に仕事をしている同僚たちの中にも、

・日本支社で5年働いた後、シンガポール支社へ移った日本人社員
・日本支社で4年働いた後、アメリカ本社へ移った日本人社員
・日本支社で3年働いた後、ブラジル支社で3年働き、また日本に戻ってきた日本人社員

などが、普通にその辺にいます。



逆に、海外支社の社員が、「日本で働きたい」と言って、
日本支社のポジションに応募して、日本に来る場合もあります。



ある程度、規模の大きな外資系企業だと、
「本社所属」「子会社所属」みたいな差別はなく、

「実力さえあれば」みんな平等です。





同様に、知人友人に聞いた話だと、

Google, Amazon, Microsoft等の会社でも、「社内転職」制度で、

世界中どこでも希望して、転勤していくことが出来るそうです。






まずは、外資大手に入らないといけないから、
そもそも、そこのハードルが高い、と言ってしまえばそれまでなのですが、

実は、こういったチャンスは、外資の中で大企業だけには限らず、



私が以前いた、日本法人の社員数20名しかいなかった外資メーカーでも、

会社が成長し、社員が60名になった頃に、
「今後の日本法人のさらなる拡大のために、安斎さんをアメリカ本社に1年くらい研修に行かせたいのだが、どう思うか?」
と上司から聞かれたことがあります。



結局、私はその話が正式に決まる前に会社を辞めてしまったので、実現はしませんでしたが、

規模の小さい外資でも、「海外で働く」チャンスはある、と言えます。






確かに、誰にでも回ってくるチャンスでは決してなく
「実現のハードルが高い」のは事実ですが、


日系企業の海外駐在員も、
めちゃくちゃに高い競争倍率で、そう簡単に狙って出来るものでもなく、
いくら希望し続けても、自分の人生の中で「駐在」の切符をもらえる可能性は極めて低いため、

「成功確率」としては、外資でも似たようなものかな、と私は思います。





日系企業だと、
会社から「バングラディシュに行け」と言われれば、
行かないといけない
し、

会社から「北京に行け」と言われれば、
行かないといけない
、ということを考えると、




外資のほうが、

自分の実力を証明することさえ出来れば、
アメリカでもイギリスでもドイツでも、
自分の好きな場所で働くチャンスがあるし、

自分の希望しない国に行かされる可能性はゼロ
という意味で、


QOLとしては高いのかもしれません。







本気で「海外で働きたい」人に、ベストな手段




以上、「海外で働く」を実現する、3つの手段でした。




最後に、

ズバリ、海外で働きたい人にとって最も現実的でベストな手段は何か?

という話をしたいと思います。




答えは、
「大企業以外の中堅メーカー・中堅商社での海外駐在」です。






①海外駐在 でも述べたように、日系大手有名企業では、
「駐在員」はケタ違いの待遇で、かつ「出世の道」でもあるため、
「駐在員」の椅子の奪い合いが、あまりにも激しすぎます。狙って出来るものではありません。

新卒の新入社員100人のうち、営業系はほぼ全員が英語を喋り、3ヵ国語喋る奴も何人もいる、
みたいなライバルの多い状況の中で、誰よりも「社畜」になりきって、激しい競争を生き抜くよりも・・・



「大手有名企業」ではなく「中堅企業」で、
グローバルに事業を展開し、海外駐在員事務所がある企業
を狙っていく方が、

「持たざる者」の戦略としては正しいと思います。




そもそも、日系大企業には、中途で入ることは難しい場合が多く、
かつ、新卒でも、就活を勝ち抜いて入社するだけでも結構大変です。





例えばですが・・・

宅飲みで鍋をするとき等によく使う「カセットコンロ」の最大手で「岩谷産業」という会社があります。



私が上海時代にたまに一緒に飲みに行っていた若い駐在員の中に、

この「岩谷産業」の人がいて、彼は、

同期の新入社員10人のうち英語を喋れるのが自分だけで、中国語を喋れる人は一人もおらず、
海外駐在希望者も自分の他にほとんどいなかったため、前任者の帰国のタイミングで20代の自分がそこに選ばれた
、と言っていました。





同様に、
BtoBのプリンターやバーコードリーダー等の大手で、「サトー」という会社があります。




私の友人は、この会社に入社した時、同期は5人、
3年ほど国内営業をやった後にインドネシアに駐在が決まり、その2年後にベトナムに移って、
今もベトナムで働いています。

もちろん、彼が駐在員になれたのは、彼の優秀さによるところだとは思いますが、
たった5分の1の倍率で「海外駐在員」の切符が手に入るのなら、

大企業に比べれば遥かに簡単に「海外で働く」を実現できます。





もちろん、「岩谷産業」も「サトー」も、ある程度大きな会社ですが、

私が言っているのは、
「ソニー」「ホンダ」「任天堂」「日立」「キヤノン」等の有名大企業と比べれば、

入社難易度も低く、転職で入ることも可能で、
かつグローバル人材も少なく「海外駐在員」になるための競争率が低い、ということです。




「海外で働く」を手に入れるのは、
そう簡単なことではありませんが、

少しでも可能性を探し、
確率を上げるために、

私が現実的にオススメするのが、

このような
中堅企業・ニッチ分野の企業に就職・転職して、

比較的「競争率の低い」環境で、
海外駐在員を目指す
ということです。




日系大企業の海外駐在員みたいに、20代で年収1,000万超えるとか、タワマンに住むとか、
そういう夢物語は無いかもしれませんが、

手続き関連や、保険、医療、セキュリティなどの面では会社が守ってくれますし、

大企業に比べれば「しがらみ」が少ないので、より「海外の現場経験」も積めます。






何より、

「大手有名企業に入社して海外駐在員になる」のが可能なら苦労は無いですが、

ほとんどの人にとって、そう簡単に大企業になんて入れませんし、
その中から選ばれて海外駐在員になるなんて、相当な無理ゲーですからね。






大企業の中でも、
10年以上「海外駐在員の順番待ち」をしている人たちが、沢山います。

優秀で、かつ、社内政治を上手くやったごく一部の社員にしか、
チャンスは訪れません。




また、「外資系企業で日本以外の支社や海外本社に行く」ためには、
更にその100倍くらい優秀で英語が上手くないとダメです。




かと言って「現地採用」は、
相当に実力が無い限り、自滅の道になりかねません。






中堅企業・ニッチ分野の企業に就職・転職して、
海外駐在員を目指す
が、

多くの人にとって、最も成功率が高く、
かつ現実的な道
だと、私は思います。









ちなみに・・・

このような「海外で働く」を実現できる会社を見つけるために、
私がオススメする転職エージェントは、


「リクルートエージェント」

「JACリクルートメント」の2社です。




公式サイト【転職支援実績No.1】転職成功するならリクルートエージェント

公式サイト外資系・グローバル企業・ハイクラスの転職ならJAC Recruitment




詳しくは、こちらの記事に書いています。






また、「海外で働きたい」と考えている大学生・就活生にとっては、

まずは「海外駐在員事務所が複数ある会社」「海外駐在員の数が比較的多い会社」を調べるのが第一歩だと思います。



こういった情報は「就職四季報」に、全て書いています。


今さら言うまでも無いですが、
就活生は全員「就職四季報」を買った方がいいと思います。

就職四季報 総合版 2022年版 (就職シリーズ)








私は「グローバルキャリア」に関しては思い入れが強いので、
色々と書きたいことがあって、長くなってしまったのですが(笑)、


今日は、この辺にしたいと思います。
(読んでいただいて、ありがとうございます。)






今日私がご紹介した3つの手段にしても、
それ以外のどのような手段を使うにしても、

「海外で働く」のはそう簡単なことではありません。




ましてや、今はコロナの影響で、先行きが不透明で、
「海外で働く」を諦めかけている人もいるかもしれません。




でも・・・

「コロナが落ち着く」のを、ただ待っている人には、
きっと、明るい未来はありません。




今こそ、

英語を勉強する時かもしれないし、

オンラインで海外の大学に留学する時かもしれないし、

数年後の海外駐在を見越して転職活動を始める時かもしれません。




「何もしない」人には
「何のチャンスも降ってこない」と、

私は思います。





さあ、今日から、始めましょう。








お相手は、安斎 響市でした。









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