
「海外留学」って、良い響きですよね。
なんか、自分の人生が変わるような気がしてきます。
でも、一回、現実に戻りませんか?
海外留学なんかしても、あなたの人生は変わりません。
99%くらいの場合は。
つまり、99%の海外留学には、
正直言って、あまり意味がありません。
それは何故か?
少し説明しましょう。
これから海外留学を考えている高校生・大学生や、
海外に行けば何かが変わるなんて甘いことを考えている社会人の皆様の、
少しでも役に立てたらいいな、って思っています。

99%の海外留学には、意味がない
海外留学を考える人って、ほとんどが英語圏への留学を考えていて、
そのほとんどが、アメリカやカナダやオーストラリアへの留学を考えていることだろうと思います。
あなたが既にTOEIC850点以上取れていて、海外の大学や大学院へ留学して、
自分の専攻である、経済学や哲学や心理学や社会学や電子工学や情報工学について、
大学の単位を取り、世界各国の学生と英語で意見交換し、英語で論文を書こうと思っているのなら良いのですが、
残念ながら、
ほとんどの留学希望者は、そうではありません。
とりあえず海外に行けば、英語ペラペラになれると思って、
Google検索で出てきた、なんだか良さげな斡旋業者のサイトに登録し、
200万円くらい払って、そしてアメリカやカナダの田舎町への飛行機を予約するのです。
「ここではないどこかへ」みたいな気持ちで。
「新しい自分」が手に入ると思って。
そんなものは、どこにも無いのに。。。
「英語が全く話せないのですが、留学できますか?」なんて質問をしている、あなた。
「留学をすること」が目的なら、確かに出来なくはありません。
ただ「留学する」だけなら、誰でも出来ます。
そう、「東大の入試を受ける」だけなら誰でも出来るように。
でも、そうやって留学した人の99%は、
後悔をすることになります。

海外留学を、ただの「旅行」にしないために
もちろん、「ただ海外に行ってみたかった」、「英語は出来なくても別にいい」と、
単なる趣味みたいな気持ちで留学するなら、何も問題は無いでしょう。
趣味であれば、どんなに時間やお金を無駄にしたって別に良いのだから。
でも、もし何か目的があって、達成したい夢や目標があって、
海外留学をするのであれば、安易にアメリカやカナダの現地に飛んではいけません。
それは、ただの旅行です。
「留学」とあなたが思っているだけの、
ただの海外旅行です。
✔ 海外留学の罠 「語学学校」と「コミュニティカレッジ」
なぜ「留学」したはずが「旅行」になってしまうのかと言うと、
一番ケースとして多いのは、
現地の「語学学校」や「コミュニティカレッジ」に行ってしまうからです。
「語学学校」とは「英語を学ぶ場所」なので、
当然、教室にはネイティブスピーカーはいません。
ネイティブと友達になる機会もありません。
ネイティブの恋人なんて出来るわけもありません。
クラスメイトのほとんどが、日本人と韓国人なのだから。
こういう話は結構よく聞きます。
アメリカに半年留学したものの、出来た友達はみんな日本人、
ネイティブスピーカーと喋ったのは学校の先生と、スーパーのレジの人くらい、
半年間、毎日学校に通ったことで、帰国後にはTOEIC 750点を取得、みたいな話。
怖いのは、
半年も勉強すれば、TOEIC 750点は日本にいても普通に取れることと、
「留学経験者」なのにTOEIC 750点しか取れない、
というのは後々、自分の首を絞めることになる、ということ。

「コミュニティカレッジ」も、
ちょっと調べれば分かりますが、完全に留学エージェントの罠です。
コミュニティカレッジとは、日本でいうところの「職業訓練校」「高等専門学校」みたいなもので、
大学に行くほどの能力やお金がない人たちが、最低限の知識を身に付けるために行く場所です。
周りには、同じように安易に留学してきた意識低い系の日本人か、中南米の移民などしかいません。
当然、たいして英語は身に付きません。学歴にもなりません。
コミュニティカレッジの費用が大学に行くより安いといっても、年間200~300万は平気でかかります。
これだけ払って、ほとんど得るものがない、というのは本当に不幸です。
本当に価値のある留学をするために
では、意味のある海外留学をするためには、どうしたらいいのか。
簡単です。
留学する前に、
英語を勉強する。徹底的に。
これだけです。
外国語というものは、一定量のインプットがあって初めてアウトプットを出すことができます。
単語や文法や発音といった基礎を、時間をかけて徹底的に頭に叩き込んで初めて、
英語を実際に使ってみる、色々な人と喋ってみる、だんだん上手くなっていく、ということが起こります。
文法や単語を知らない人が、ネイティブスピーカーの輪の中に放り込まれたからといって、
自然と喋れるようになんてなりません。
大企業の海外駐在員が、5年や10年アメリカにいてもほとんど英語を喋れない、
というケースが実際にあるのは、このためです。
現地に何年かいれば自然と喋れるようになるなんて、嘘です。
努力をしないで外国語を身に付けることなんて、絶対に出来ない。
逆に、留学する前にしっかり準備をして、英語をある程度喋るための基礎が出来てから、
「語学学校」や「コミュニティカレッジ」ではなく、きちんとした大学に留学する。
もしくは、現地でコミュニティカレッジから「大学への編入」を目指す。
ここまでやって、やっと、
「自分の人生を変える」ような、
価値ある海外留学にすることが出来るのです。

「ゼロから英語を学ぶために行く」のではなく、
「すでにある程度は喋れる英語が、毎日のコミュニケーションの中でどんどん上手くなっていく」、
「留学初日からネイティブスピーカーの友人が何人も出来て、色々な話をして刺激を受ける」。
こういう留学が出来れば、本当に人生は変わります。
もちろん、大学の学部や大学院に留学するのはある程度ハードル高いですが、
そのくらいしないと、正直言って、わざわざ留学する意味はないと思います。
海外気分を味わいたいだけなら、旅行やワーホリでいいと思うし、
今の時代、オンライン英会話でビジネスレベルの英語を身に付ける人たちも沢山います。
英語を身に付けたいだけなら、必ずしも海外留学する必要はありません。
「お金さえ出せば誰でも海外留学できる」時代だからこそ、
「留学した」だけでは誰も評価してくれません。
例えば就職活動の際にも、
企業の人事は、中身の無い「留学経験者」を沢山見ているので、「留学した」だけでは一切評価しません。
もし、時間とお金を投資して海外留学するのであれば、
英語を含めた留学の準備を、まずは日本にいるうちに徹底的にしないといけないし、
なぜ留学が必要なのか、慎重に判断しないといけない。
そして、海外留学をした後に得られる「リターン」をきちんと考えないといけない。
こういった熟考なしに、
「現地に行けば、英語が喋れるようになる」
なんて軽い気持ちで海外に行くと、
あなたは、必ず、自分の人生を後悔することになりますよ。

英語の勉強は、日本でもできます。
今日から、始めましょう。
